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「パチスロ救急車inラスベガス 〜すろきちのカジノレポート13〜」
第13話「100ドルスロットとの対面」



  カジノの店の奥深く。一見難の変哲も無い・・(それは蝋人形の館!)
いやいや失礼。
 ひときわ大きな仕切りに囲まれたブースがある・・・。
そこには12台ほどのスロットマシンが置かれ、警備員が常に待機している、明らかに他とは異質な場所である。
そのうち4台には「25」の文字。残り8台には「100」の文字が見える。


 いよいよ来てしまいました。カジノの中でも最もハイレートなスロット100ドルマシンのブースです。なんと1ゲーム3万3千円。1ベットマシンでも1万1千円です。ゲーム時間はなんと2、3秒(!!!)。さすがにレートが高いせいもあり、1ベットマシン、2ベットマシン、3ベットマシンがあります。私たち一行がブースに向かうとなにやら騒がしい一団がいます。欧米の白髪の老夫婦と警備員が2人。ベルの音が鳴り響いています。老夫婦が座っているスロットマシンには1台には赤7が、もう1台にはBARが揃っているではないですか。私は恐る恐る配当表をのぞき込みました。。。
KING・・・15,000
777・・・4,000
BARBARBAR・・・1,000
!!!!!!!っ?
4000万円と1000万円ーーっ!?
すげーっ!
ほんとに揃うんだーっ!!


 警備員がいる訳もようやく理解。カジノでは高額配当は小切手で手渡しなのです。いくら投資したかは不明ですがこの夫婦一晩で5000万円稼いだことになります。カイジも真っ青です。老夫婦は夢のような出来事に手を取り合って抱き合っています。
「おーーーしっ! 俺もっ!!」
がぜんやる気になってきました。真ん中の台に決め、いざ100ドルマシンの前へ。


 おーっ緊張してきた。
19万円の負債どころか、1,000万円、あわよくば最高配当の15,000倍(1億5000万円)も射程圏です。落ち着け落ち着けと自分に言い聞かせ、ゆっくりと着席。今までの人生で1000万円というお金に手が届きそうな瞬間が無かったせいもあり、チャンスの扉のこちら側にいるという実感がありません。


 チェリーでさえ10万円の破壊力です、パチスロでいえばベルです。ベルさえ引ければいいんです。1ゲームでベル。引けそうです。
今までのスロ人生のヒキをこの1ゲームに凝縮させればいいんです。
パチスロだと思えばいいんです、ベルでさえ大勝ちです。スイカなら月給と同等です。
引けます。

絶対引けます。
引けるのです!!
ドーン!!

ゆっくりとお札を投入。ベットボタンを押し、私はレバーにそっと手をそえました。
(つづく)

 

(この企画は2005年9月に掲載されたものを加筆修正しています)

 


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