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パチスロ新時代を斬る
〜第5回:5号機の未来と限界点〜

 
 
 いよいよ最終回である。
今回は5号機の未来と限界点を探ってみたい。
 
 
 私が5号機について何より驚いたのが、4号機以上のアイデアの宝庫だということだ。
5号機の法規をみるとかなり厳しい制限があり、何よりストックと、出玉制限が厳しくなっている。
この中で、RTとリール制御だけでかなり斬新なアイデアが実現されているのである。
各メーカーの5号機に対する思い入れと熱意が感じられた。
 
 正直に言おう、私自身5号機には全く期待していなかった。
「絶対打たん」くらいの勢いだった。(お恥ずかしい...)
しかし、いざやってみると、本当に各メーカーの苦労が伝わってきて感心した。まぁ、ギャンブル性からいうとほんとに穏やかなのだが。。。
 5号機「エヴァ」が登場してからわずか数ヶ月でかなりの数の5号機が発売されたが、私の知る限り、全く同じ確率、ゲーム性という台は無いと思う。以前の4号機時代の純Aタイプだと、確率もゲーム性も似通った台が多かったのだが、5号機の移行初期なのにもかかわらずこれだけのアイデアが盛り込まれていると、近い将来もしかして...という淡い期待を抱いてしまうのである。
 
 
 打ち手から見ると厳しい、厳しいと言われている5号機だが、ホール側から見るとどうだろうか。
以前にも少し触れたが、コイン単価から見た儲けはやはり思ったよりも少ないようだ。現在のホールからすると大都技研の台は神様のような台である。1台で終日10万以上の売り上げ(現金投資)を上げる台も珍しくない。ホールと景品交換所が別経営ということからも、現金投資が多ければホールの売上額自体は上がるのである。
 
●朝1000円の投資だけでだらだらと7000G打たれ、結果全部呑まれる
 店が1000円の儲け
●現金投資10万円から後半盛り返し、7000Gで4950枚GET。
 結果こちらも店が1000円の儲け

 
どちらもホールが1000円の儲けだが、断然後者の方を店は望んでいる。結果としての店の利益は変わらないのだが、年商という観点から見れば売上額が全然違うのである。(客の目からみればどちらも一緒)
前者が5号機で後者が4号機の連荘台なのである。もっと問題なのが後者は7000G回してくれる稼働をとれるが前者ではなかなか稼働率が上がらないということだ。
 よって今よりも薄利多売の経営方針を取らざるを得なくなるのがホールの今後であるといえる。1台当たりの売り上げが少ない訳だから、倍の数を設置してフル稼働にすれば現在の売り上げベースを維持出来る。
しかし、そこまで稼働が取れる5号機は今のところ・・・無い。
 
 
 悲しいがこれが現状である。私個人の見方では5号機発売当初に牽引役となった某A社の台が問題だったと感じている。あらゆる意味で客に悪い方の5号機のイメージを植え付けてしまったのではないだろうか。「ああ、なんだ5号機ってこんなもんか」と。設定も2段階だし、初当たり確率自体もかなり悪い。5号機のデビューとなった「エヴァ」がなかなか好評だったためこの罪は重いと感じている。結果全てのパチスロメーカーの足を引っ張る形となってしまった。「5号機はダメだ...」という今後発売されるすべての5号機がダメであるかのようなイメージが広まってしまったのだからこれから発売するメーカーは大変である。
この負のイメージを払拭するため各メーカーはかなりの苦労をしているはずだ。一度落ちた信用はなかなか回復しないものである。 かなり厳しい現状ということは変わりがないのだが、この春登場の2機種に筆者はかなりの期待を寄せている。「ゴルゴ13(平和)」と「ボンバーマン(サミー)」である。
 
 ゴルゴは4号機で好評だったATを復活させている。まあ、法規が5号機なのでATメインで出玉を増やすわけではないのだが、実際問題、保通協ではAT役を通常時も全て取ったものとして試験するため、機械割はかなり渋いことが予想されるがゲーム性自体は大いに歓迎したいところである。
 
 そして、サミーの「ボンバーマンビクトリー」である。こちらはボーナス後3000GのRTに突入し、BB中に獲得したポイントによってRT中にRT終了図柄のナビが発生。ここでナビをハズせばRTは終了しない。BB中のゲーム次第で超ロングRTも可能というかなり期待が出来るゲーム性ではある。RTメインのゲーム性なので初当たりは結構遠い部類に入るが、5号機の新しいゲーム性を提示してくれている。
 これら2機種を考えても、現時点でのメーカーの戦略は機械割よりも液晶を絡めたゲーム性というところに重点を置いているように感じる。打ち手に取っては渋い時代が続きそうだが、5号機が発表されてわずかの時間でここまでゲーム性を広げられたメーカーの創造力に期待したい。
 
※筆者注
2006年8月現在、ボンバーマンのほうの導入数はエヴァには及ばないまでも5号機では健闘した部類だった。
アルゼより「クランキーコンドルX」、北電子より「アイムジャグラー」、オリンピアから「南国娘」と、4号機ヒット機種の後継機が続々と発表されている。中には設定6の機械割が110%を超えるものも出始めており、今後の期待が持てる。
 

(この企画は2006年3月に掲載されたものです)

 


 
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